宝塚に恋して

美しいものを見ることには価値がある。

カジノ・ロワイヤル千秋楽に寄せて

 

とうとうこの日が来てしまった。

 

ずっと見てきた組のトップコンビを見送るのは初めての経験だ。

 

カジノ・ロワイヤル初日、まかかの退団公演が始まってしまうことに悲しくなりながらも、大劇場公演期間は仕事が忙しかったので、あまり寂しがっている余裕はなかった。

 

観劇初日、ゆりかさんが表紙のプログラムを見てちょっとウルっときた。

でも作品が予想を裏切りコメディだったのですぐに元気になった。

 

6月に入り、いよいよ実感が湧いてきた。

「卒業といってもまだ先の話」と思っていたのに、いつのまにかもうすぐになっていた。

スカステの来月のラインナップを見ながら、これを観ているときはゆりかさんもかのちゃんも、すっしーさんもしどりゅーもあきもも、皆いないんだ、と思った。

 

観劇最終日、前日から緊張していた。

もちろん楽しかったけど、前回に観劇したときほど笑えず、特にすっしーさんへ大きな拍手が送られたとき、本当に泣きそうだった。

私もたくさん手を叩いた。

 

私が宝塚歌劇団で最も好きなのは芹香さんだ。

大好きで、初めて好きになったタカラジェンヌ

私が宝塚ファンになったきっかけの人。

その人がトップスターになるのは嬉しい。

これからもっと楽しいことが待ってるんだろう。

 

でもそれでも、3年半ずっと、1番情報を追っていた組。1番見てきた組だ。私はすっしーさんがいない宙組はもちろん、ゆりかさんがトップじゃない世界すら知らない。

明日からは別の世界が始まるような気持ちがして、寂しくて悲しくて怖い。

 

千秋楽はライブビューイングで見た。

ゆりかさんとかのちゃんの最後のデュエットダンスが本当に幸せそうで、なんて美しいんだろうと思った。

いつもニコニコ笑顔のかのちゃんがご挨拶でウルウルしているのを見たら急に涙が出てきた。

初めて見たべしょべしょに泣いてる芹香さんの姿にも泣いた。

それでも周囲を気にして思い切り泣けなかったのが唯一の心残りだ。

 

サヨナラショーもご挨拶もずっと涙目だったけど、最後の蚊帳前でのゆりかさんとかのちゃんのやりとりが楽しくて、明るい気持ちで終わった。

最後までまかかのコンビは可愛くて綺麗で楽しかった。

 

 

このタイミングで宝塚歌劇を好きになれて良かった。

宙組の皆様、素敵な時間をありがとう!