宝塚に恋して

美しいものを見ることには価値がある。

雪組「Lilacの夢路」感想

 

先日、雪組・彩風咲奈さん主演「Lilacの夢路」「ジュエル・ド・パリ!!」を観劇しました!

今回はお芝居の感想です。

 

夢白あやちゃんが念願のトップ娘役になってくれたので、もう超楽しみにしておりました!!

そして今回も宝塚初観劇の友人を連れていくことに成功しました✌️

 

その友人は「宝塚を人生で一度は見てみたい」と言ってくれてたので、どの演目に連れて行こうかというところから始まりました。なぜこの作品を選んだかというと、彼女の希望が「明るくてハッピーエンドな洋物かつショーがあるもの」だったから。

そうすると年内はもうこれしかない!という経緯でした。

(私はサイトー先生の作品が苦手なのでフリューゲルは除外しました)

こうして見ると意外と明るい洋物は少なかったので、増やしてもらえると嬉しいですね😂笑

 

 

全体的な感想

展開は微妙だったけど美しかったから許す。

好きか嫌いかで言えば好きです。

曲はどれも良かったし、舞台装置もお衣装も可愛くて、エリーゼちゃんがめちゃくちゃ可愛かった!

ただエリーゼの夢をアクセサリーデザイナーに変更させるあたりがどうしても納得がいかなかったです。

 

とにかく美しい

特筆すべきは舞台の美しさ!

曲も舞台装置もめちゃくちゃ良い!!!

ときどき美穂圭子さま率いる魔女たちが出てきて歌ってくれるのも幻想的で私は好きでした。

集団でダンスをする場面もあって楽しかったです。

 

話題の鉄ソングもどんなトンチキなんだろうと身構えていましたが、面白かったので問題なかったです。

先月はイルカのことを知っているかいソングだったからね。笑

 

よく考えたら私は謝先生の舞台を生で見るのも、謝先生の洋物を見るのも初めて。

(たぶん眩耀の谷とMAHOROBAしか見たことない)

謝先生の作品は総合芸術的だなぁとは思っていましたが、生で見るとここまで美しいとは!美しさに感動すらしました。

嬉しい発見でした🙆‍♀️

 

エリーゼが可愛い

夢白あやちゃん演じるエリーゼの可愛さといったら!!!!

そもそも夢白ちゃんが可愛いのですが…🥲笑

どのお衣装も美しかったです!

 

夢白ちゃんは大人っぽいビジュアルで儚い雰囲気だってあるのに、笑顔が元気いっぱいな感じで可愛いのが魅力ですよね。

 

かなり行動力のある女性ですが、かと言って前に出過ぎないバランスが良かったです。

まぁこの時代背景とエリーゼの辿った道(脚本)を考えると、女性だから前に出られなかっただけの可能性も高いですが。

 

1番好きだった場面は、冒頭のハインドリヒとのデュエット。本当にキラキラしてて、まるでディズニー映画のようで、ここを見れただけで来た甲斐があった!!と思いました。

 

 

脚本は微妙

脚本は正直微妙でした。理由は以下のとおりです。

 

誰にも感情移入できなかった

この作品、すごい色んな要素が詰め込まれてますよね。

主人公・ハインドリヒを中心とした皆で夢を叶えるまでの険しい道のり、次男・フランツとの衝突、三男・ゲオルグが追う父親の噂の真相、五男・ヨーゼフの死、そしてヒロイン・エリーゼの夢とロマンス…。

それらは一応すべて回収されましたが、全部あっさり解決するし、それらの事実だけをバタバタと伝えられ、これだけ登場人物がいるのに誰にも感情移入できなかったというか、思いを馳せられなかったです。

すごく物足りない。

 

特にフランツは、ディートリンデを最初から想っていたけど彼女はハインドリヒのことが好き?な状況で、そもそもの兄への嫉妬もあってかなり複雑な心情を抱いていたはず。その感情を抑えている様子はかなり魅力的でしたが、ちゃんと注目していないと拾えなかったな…という印象でした。もっと作中でピックアップされてほしかった。

 

私は夢白ちゃんが好きでエリーゼが可愛かったから満足したけど、正直だれにもキュンとしなかったし誰の見せ場もなかったように感じたので、他の生徒さんのファン的にはこれで良かったのかな?と疑問に思います。

 

エリーゼの夢が変わる過程が納得できない

なにより納得がいかないのはエリーゼの夢が変更されることですよ!!!笑

 

「女性だから演奏を聴いてもらうことすら出来ずオーケストラ団員のオーディションに落ちた」と落胆するエリーゼ。さらに彼女はこう続けます。

 

「目指せない夢を追いかけるより気持ちを切り替えて…😔✨」

「そうだよ☺️✨」

 

そうだよ???

 

そんなことある????

 

さらにハインドリヒは「快活な君も魅力的だけど、悩んでいる君も魅力的だね」と畳み掛けるではないか。

 

いや君の悩みと一緒にするべきではなくない??

 

これはハインドリヒは「男性だから」夢を追ってかつ叶えることも出来るけど、エリーゼは「女性だから」その夢を追うことすら出来ないという事実を肯定していますよね??

エリーゼのソロ曲で「なぜ女ばかり傷つくの」と歌っていたのは何だったんだ、という話になる。

 

たしかにエリーゼの夢を叶えるには尺が足りないと思うけど、それならそんな困難な夢を設定したのはなぜ??笑

叶えるまでは無理でも、せめて主人公のハインドリヒには一緒に怒ってほしかったですよね。

それに理不尽な現実に立ち向かうヒロイン、夢白ちゃんなら良いバランスで演じてくれたと思う。

 

好きな女の子が理不尽な目に遭っているのにそれを受け入れさせる男はちょっと無理でした。

現代にもそういう人はいるので、そのあたりが非常にモヤりました。

 

ただ宝塚歌劇団にはそのへんにまで意識が向いてすらないんだろうなぁと見受けられる先生も数名いらっしゃるので、テーマとして取り上げた点は謝先生を評価したいです。

 

おわりに

色々と書きましたが演出が美しいことは間違いなかったし、夢白ちゃんの圧倒的なヒロイン力を浴びることができて幸せでした。

これから夢白ちゃんのヒロイン姿を沢山見られるんだ!と思うと楽しみで仕方がありません。

 

謝先生の今後の作品も期待して待っています!