宝塚に恋して

美しいものを見ることには価値がある。

花組「殉情」感想

 

先日スカステで放送された、花組・帆純まひろさん&一之瀬航季さん主演「殉情」を観ました!

順番は実際の公演日程どおり、帆純&朝葉コンビから。

 

また、予習として谷崎潤一郎春琴抄」も読んでおきました。

 

 

全体的な感想

現代パートはいらなかったけど、それ以外は綺麗で良かった!

私は原作が好きだったので、ラストは特にこれこそ究極の愛!とシビレましたね。

 

2組の違いと好み

帆純&朝葉、一之瀬&美羽をそれぞれ拝見して、作品や人物の印象がだいぶ違うのだな〜と興味深く思いました。

 

佐助役

まず帆純さんは、佐助にしてはスマート。春琴への強い想いを胸の内にしまっていて、それがじわじわと伝わってくる。

これは誰でも惚れてしまうでしょう!と言いたくなるような優しくてカッコいいお兄さんという感じ。

対して一之瀬さんは、一生懸命で可愛い。春琴のことが大好き!って気持ちが全身から溢れ出ている。

春琴の世話を頑張る幼馴染という印象だった。

 

実際は佐助の方が4歳歳上ですが主人と奉公人・師匠と弟子という関係からかあまりそんな感じはせず、私が原作を読んだときのイメージにより近かったのは一之瀬さんで、単純にキュンとしたのは帆純さんでした。

 

春琴役

次に朝葉ことのちゃんは、綺麗で近寄り難いお姉様という印象。

佐助のことを好きなのかそうではないのか、微妙に分からない不安定な感じが、浮世離れした雰囲気で美しかったです。

対して美羽愛ちゃんは、とにかく可愛い。

台詞の言い方、全ての動作が可愛くて仕方がなく、ずっと見ていられる。

こちらは佐助が好きなのがもうバレバレ笑

ことのちゃんと比べると親しみやすい感じがしました。

 

原作の春琴は「ツンデレ」と呼ぶには高尚すぎると個人的には思っていて、原作のイメージに近いのはことのちゃん、宝塚的ヒロインに近いのは美羽ちゃんだと感じました。

 

最後まで楽しめたのは一之瀬&美羽コンビ

どちらのコンビの方が良かったかというのはなかなか言えないのですが、飽きなかったのは一之瀬&美羽コンビでした。

はいからさん新公も見たかったな〜!

 

帆純&朝葉コンビの方も美しい世界観で好きでしたが、ずっと静かなので中盤は退屈に感じてしまいました🥲

劇場であれば作品だけに集中できるので、もう少し違うのかもしれません。

 

現代パートは本気でいらなかった

どうして現代パートがあったのか不思議でなりません。

原作は、佐助の記した春琴に関する書物や当時を知る女性の話から、佐助と春琴のストーリーを第三者が語る形式になっているので、それを再現したかったのかと思いきや、本編と全く関係ないテーマまで入れてきた笑

 

特に帆純&朝葉コンビは現実を忘れられる美しさだったのに、そこをチープなやりとりでぶち壊されて、この演出家は何がしたいんだ…?と本気で疑問でした笑

ただ現代のお洋服を着た生徒さんたちは新鮮で眼福でした(特に希波さんは高身長なのでリアル男子感があってキュンとした)ので、もう会話は極力耳にいれないようにして、目だけで楽しみました。

次に再演するときはカットしてね🥺❕

 

あと個人的には、佐助は書物に「春琴の火傷は大したことない、ごく小さなものだった」「自分は白内障になった(自分で目を潰したのではない)」と記しており、春琴を最後まで良く書いている点に最大の愛を感じていたので、そこに言及がなかったのがちょっと残念でした。

(私が見逃してるだけだったらすみません)

 

おわりに

作品自体に不満はありますが、演者によってこんなに雰囲気や受かる印象が異なるのだな、と勉強になりました。

これは演出家の先生がそのようなリクエストをしたのか、それともそれぞれのチームで話し合った結果なのか、どちらなのでしょうか?

 

そして美羽愛ちゃん、やはり可愛い。